社会保険労務士試験 科目別勉強法

社会保険労務士の本試験は、全8科目(細目として下記10科目)で構成されています。
大くくりにしますと「労働関係」「社会保険」「一般常識」の3つになります。

「労働関係」では労働基準法の主旨を理解した上で、安全衛生法、労災保険法等に学習を進めること、「社会保険」については「年金」を中心に勉強すること、「一般常識」では、 世間を賑わしている時事的な問題や白書への対応が大切になるでしょう。

社労士試験には、基礎力を固めておけば比較的得点しやすい科目もあります。
また、数値を正確に暗記しておかないと、得点できない科目などもあります。
ここでは試験10科目内容についての勉強法をお話しします。

労働基準法 通達判例からの出題に注意!

労働者を守るための労働条件の最低基準を定めた法律です。しかし、世の中では最低条件さえ満たしていない企業が多いため、取締法としての性格を理解する意味で、通達・判例からの出題が多くなされます。
条文についての知識を問う出題が多くなされていますが、条文がそのまま出されることは少ないです。暗記ではなく、条文の内容をよく理解する勉強方法を工夫してください。

<出題のポイント> 労働時間、休憩、休日・年次有給休暇、労働契約、解雇、解雇予告、解雇制限

労働安全衛生法 出題頻度の高いところを集中学習

労働基準法の一部が独立して一つの法律になったのがこの法律です。法令自体は120条で、他の法律と比べてもそれほど多くはありませんが、おのおの条文が非常に似通っていますので、正確に棲み分けをして暗記をするのがむずかしい科目です。
この科目では出題頻度の高いとろだけを学習して、全体の足をひっぱらない得点を狙った勉強をお薦めします。

<出題のポイント> 安全衛生管理体制、健康の保持増進のための措置、労働者の就業にあたっての措置、機械等に関する規制、有害物に関する規制

労働保険法 給付要件や受給者の範囲について正確に理解しましょう

労災保険法は労働災害の結果給付される労災保険について定めた法律です。 業務上の災害はもちろん、通勤途中での災害などについての補償を定めています。そのため試験でも、労働者のケガや病気など保険給付に関する出題が中心になります。給付要件や受給者の範囲について正確な知識を問う問題が、毎年2~3問出題されています。出題範囲がそんなに広くないですから、過去問題集を繰り返すことで得点源となる科目です。

<出題のポイント> 療養保障給付、休業補償給付、疾病補償年金、障害補償給付、遺族補償給付、前払一時金、差額一時金、介護補償給付

雇用保険法 「雇用継続給付」の出題が増える傾向に

労働者が職を失った時の失業手当(基本手当)の支給と、再就職支援について定めた法律です。雇用保険の試験対策では、給付の仕組みの全体像を理解していることが大切です。給付日数や金額などの具体的な数値を、法改正後の最新の数字で暗記してのぞみましょう。なお「失業等給付」は、高齢者が60歳以降も継続して雇用された場合等に「雇用継続給付」としても支給されています。近年は高齢者の労働雇用も増えており、出題もその点にウエイトが置かれるようになってきています。

<出題のポイント> 被保険者の種類、一般被保険者・高年齢継続被保険者・短期雇用特例被保険者・日雇労働被保険者ごとの求職者給付、算定基礎期間、受給期間の特例、基本手当日額ほか

労働保険徴収法 最重要ポイントは「年度更新」

労働保険とは「労災保険」と「雇用保険」を指します。徴収法は、この2つの保険料の徴収や労働保険の適用に関する規定を定めています。労働保険の適用や保険料の納付に関する手続が、いわばシステムのように定められていて、勉強をはじめたばかりのときは理解しずらい科目かもしれません。徴収の仕組みや方法をきちんと理解した上で、計算問題の慣れてください。試験でよく出題されるのは「年度更新」です。これは社会保険労務士になったら毎年かならず行わなければならない業務ですので、実戦に備える意味でもしっかりマスターしておきましょう。

<出題のポイント> 保険関係の成立・消滅、労働保険料の種類、保険関係の一括、年度更新、特別加入ほか

健康保険法 基礎的な問題が多く得点源となる科目

「社会保険」のなかの1つの、健康保険について規定している法律で、会社の業務以外でケガをしたり病気になったときの補償を定めています。私たちのもっとも身近にある法律で、本試験では基礎的な部分を問われることが多いため、得点源にしやすい科目です。
ただし、保険料や療養費の計算問題も多く出題されます。療養費の負担や医療制度なども含め、保険給付全般を学習しましょう。

<出題のポイント> 療養の給付、特定療養費、入院時食事療養費、訪問看護療養費、適用除外、被保険者の種類、被扶養者の範囲、標準報酬ほか

国民年金法 最重要ポイントは「給付」

年金法はたびたび改正がなされています。そのため理解するまでに時間がかかる科目です。また基本的な事項にさまざまな「例外部分」が付いているため、全体を理解するのはかなり大変です。しかし国民年金は年金制度の基礎であるため、厚生年金等を理解するためにはこの勉強は欠かせません。
裏返すと、国民年金の受給資格を満たすことが、なぜ他の年金給付を受けるために必要なのかが理解できると、他の年金の理解は格段に深まります。

<出題のポイント> 給付の種類、支給要件、経過措置を伴う特例、年金額、支給停止事由、失権事由、管掌、権限の委任先、被保険者の種類、資格の得喪、被保険者期間ほか

厚生年金保険法 国民年金と並行して学習し両者の違いを押さえる

厚生年金保険法の目的は、被保険者の老齢、障害、死亡を保険事故として保険給付を行い、被保険者や遺族の生活の安定と福祉の向上を図ることです。 国民年金法とよく似た法律ですので、その学習法も、「被保険者」の種類や相違を押さえながら、国民年金との違いを意識しながら理解していくと効率的です。国民年金にはない、厚生年金独自の給付について押さえておくことがポイント。また財政難に、どのよう対処するかなどの出題も増えているようです。

<出題のポイント> 老齢・障害・遺族厚生年金、法改正、老齢厚生年金・雇用継続給付・賃金の関係、強制被保険者と任意加入保険者ほか

労務管理に関する一般常識 試験の内容は3つのジャンル 用語・法令で取りこぼさないこと

出題範囲が広範で対策の立てづらい科目です。内容は「労働関係法令」「労働経済」「労務管理」の3つに分かれており、最近は特に各種統計資料からの出題が多くなっています。この3つのジャンルに関連した法律のほか、白書からの出題もあります。
高得点を狙うよりも、労務管理用語や法令など、比較的対処しやすい出題を取りこぼさない学習がお薦めです。

<出題のポイント> 雇用管理、賃金管理、パートタイム労働法、最低賃金法、育児介護休業法、男女雇用機会均等法、労働時間、労働人口、賃金動向

社会保険に関する一般常識

介護保険法、民健康保険法、老人保健法、児童手当法、社会保険労務士法、確定拠出年金法などの法令等から出題されます。労務管理に関する一般常識と比べれば出題範囲は限られています。またこの科目には、他の科目で勉強することもたくさん含まれていますので、比較的理解しやすいはずです。近年は「介護」や「高齢者」に関する最新の情報が出題される傾向にあります。

<出題のポイント>・介護保険法、国民健康保険法、老人保健法、社会保険労務士法、児童手当法、確定拠出年金法、確定給付企業年金法

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